2010/01/01

年末年始

年末、三冊まとめて読めた。
立川談春『赤めだか』、立川志らく『雨ン中の、らくだ』、『談志最後の落語論』。
自分も調子悪くて知らなかったのだが、円楽逝去のニュースの陰でひっそりと、
談春・志らくの兄弟子の関西兄さんこと、文都師匠が亡くなられていたんだね。

2009の様子では、もう談志師匠も長くない。
『最後の~』のあとがきでこちらも覚悟ができた。
お皿は残ってるし、おそらくラストステージも観れる。充分だ。

| | コメント (0)

2007/04/26

巷説百物語

自分は文庫派である。 或いは新書派である。 好きな作家の本でも、新刊本が出たら情報を遮断して文庫化されるまで三年ほど待つのだ。 近頃はムック本ですら文庫化されるから油断がならない。 文庫化されないようなサブカル本やビジネス書などは吟味して、えい!といって買う。 文庫本ってのは、値段が安いのもあるけれど、解説文が付くのがお得だとか、書棚に並べ易いとかふと一文を読みたい時に便利とか。 一番の理由は手に馴染む大きさだってことだ。 たぶん。

禁を破ったのは京極夏彦だ。 文庫化された『姑獲鳥の夏(講談社文庫)』を読んで好きになった。 聞くところによると、元のノベルス版で文章がページをまたがない工夫がされ、よって文庫化されるときもまた上記のルールを守って改稿されるという。 タイトルも良く見ると『文庫版 姑獲鳥の夏』となっている。 そこから京極堂シリーズと云われるものはノベルスも買い文庫も買うようになった。 そこで巷説百物語である。 

巷説百物語は京極堂シリーズと逆の手順での、単発妖怪小説だと思っていた。 そうしたら、『嗤う伊右衛門』『覗き小平次』(ともにノベルス)とも同一の世界であるぞ、と。 云われるまで巷説~の主人公である御行の又市が登場していることも気が付かなかった。 京極堂シリーズは世界を同じくした外伝的な百鬼シリーズがあったが、それ以上に怪談シリーズとされていた二冊『嗤う』『覗き』が巷説百物語シリーズと気が付いて、世界が繋がってしまった。 そこで巷説百物語。 言ってしまえば、第百三十回直木賞受賞作『後巷説百物語(のちのこうせつしゃくものがたり)』が、なんと最後には京極堂シリーズとも繋がっていることを知って、たまらずハードカバーの新刊本を買うはめになったのだ。 文庫派のポリシーなんてものはないけれど、なぜか何か負けた感が(笑) 巷説百物語シリーズの最後に相応しいダイナミックな物語でした。

で、四月下旬。 『ハンニバル・ライジング』よろしく『前巷説百物語』という巷説百物語シリーズの前半記のハードカバーが新刊で出るとともに『文庫版 後巷説百物語』が同時発売。 嗚呼、角川商法。 しかしそろそろ我慢が出来る年頃だ(笑)。 '03年11月から文庫化されるまで三年半。 『文庫版 後巷説百物語』だけ軽やかに購入し(講談社と違い厳密に言えば角川書店には題名に「文庫版」というタイトルは付かない)、『文庫版 嗤う伊右衛門』『覗き小平次(ノベルス)』『文庫版 巷説百物語』『文庫版 続巷説百物語』と、副読本『京極夏彦 「巷説百物語」の世界(洋泉社)』とメモ・落書き用のA5に裁断したコピー用紙も横に置いて、週末からのGWに準備万端に備えるわけである。 

NochikousetsuKousetsunosekai_2 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/04/19

読んだモノ

GWを前に土日無い毎日で、逆に活字を追う気力が湧いている矛盾。 UPなのかDOWNなのか自判不能。 面倒なので、リンクせずに列挙。

トマス・ハリスの『ハンニバル・ライジング(新潮文庫)』は、CMで映画公開がされると知って慌てて。  日本人としてはちょっと(笑) それでも愉しめました。 『ハンニバル(新潮文庫)』に較べて物足りなさ抜群。

花村萬月『青い翅の夜~王国記5~(文春文庫)』は、五冊目(文庫版では)にしてようやく物語が始まるのか、という喜びと苛立ち。 先ごろ文庫化された『百万遍~青の時代~(新潮文庫)』や、これから文庫化されるであろう『私の庭~蝦夷地編~』ともども、大作作家になってしまった花村作品群に根気良くつきあって行こう。 ハズレ無し。

宮部みゆきの『あかんべぇ(新潮文庫)』。 『ブレイブ・ストーリー(角川文庫)』でがっかりしたけど、やはり時代小説は良い。 帯の「人情+ミステリ+ファンタジー」はわからんでもないが、ファンタジーはもういいって感じですね。 ミステリーと時代小説だけ書いていって貰いたいと、勝手な要望。

食い物本で手に取った、ジェフリー・スタインガーデン『すべてを食べつくした男(文春文庫)』は、内容が濃い! 実践派食べ物エッセイながら、東海林さだおの対極に位置するか。 あれもやってみたい、これも食べてみたい。

オレンジページ編の「男子厨房に入る」シリーズ『旨い居酒屋メニュー』は、コストパフォーマンスで推す。 100ページ弱だが、オールカラーで税込み680円。

時間の空いた時にリンクを張ります。

追記:DVD『硫黄島からの手紙(初回限定版)』が発売日より一日早くamazonから届いて一気に観る。 日本の戦時下での重要性から、ちょっと浮いた感じのこのなんともいえない「小品佳作感」。 いつもの長尺・テーマの重さに較べてなお「小品佳作感」。 クリント・イーストウッド監督ならではか。 貴志祐介『青の炎(角川文庫)』の映画で、ちょっと…と思った"嵐"の二宮和也君が好演。

追記2:最近ハマっているミヒャエル・ハネケ監督の『71フラグメンツ』と『ベニーズ・ビデオ』は、一昨昨日起きたバージニア工科大の事件とのシンクロニシティにちょっと気味悪さが。 先週末に二本観たのだ。 勿論、物語は事件と大きく異なる。 『71~』は若者が銀行で乱射した後自殺。その加・被害者断片の集積。 『ベニーズ~』は少年による少女の殺害をビデオに録画。しかしその再生メディアしか現実とコンタクトをとれない少年の歪み。 語彙もないし解釈も浅いから乱暴に言ってしまえばそんな内容だ。 しかしハネケ映画の言語は必要最小限で物語より映像手法が勝つ。 現実の悲劇の方が言語情報ばかり膨れ上がり、次第に劇場的になるのが皮肉だ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/07/13

某国

右?左? 大学に入るまでそんな概念は知らなかった。 入学早々、幼児のような俺は民生委員のようなの押し付けられて、少し赤くなった。 ○クス齧ったり本多勝一の文庫を並べたり(恥)。 しかし同時に部活では、月月火水木金金と「祖国○本を愛し日○民族の福祉を改善せんことこを期す」と唱え、自衛隊呼称の歩調を大声で発してランニングを行い、主将にもなって戦敗後の国土を憂いたりして日の丸に染められた(恥)。 今ここに晒される、恥ずかしい過去。
ところで学生時代にはイロイロ楽しい青春もあったが、"強くなること"が幼い頃のイジメ体験からの強迫観念になっていたからか、人と擦れ違うたびに自分はどう技を出すか、固定的な武道からどう脱却するかを二六時中考えていた。 日本の各武道・武術書や世界の格闘技本、テロリズムや暗殺や殺人術の本まで読み漁っていた。(恥?やっぱ恥。) で、どうやら今はノンポリ(死語)に落ち着いたようだ。 つーか、鬱になって、もうどうでもいい。

映画の『なんとかのローレライ』や『戦国なんちゃら』を観て、福井晴敏は食わず嫌いをしていた。 しかし、このミサイル関係から色々調べたりするうちに、一つぐらいは読んでおこうと『亡国のイージス』を手にとってみた。 この一週間でなんとなく自衛隊や国防に馴染んだおかげもあってか、これが面白いのだ。 まさにタイムリー。 専門外だから、勿論細かいところは自分で調べなきゃいけないので読むスピードは格段に遅いのが難点。 でも、食わず嫌いはいけないなぁと思ったです、はい。 最近、『リヴィエラを撃て(上・下)/高村薫(新潮文庫)』でも諜報部員モノを読んだばかりで、今のとこそんな嗜好です。

Boukoku

Riviera

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2006/04/30

丸かじり

池波正太郎の『鬼平』や『剣客商売』などの解説文で、常盤新平氏はよくこう書いている。 五月の連休や年末などに疲れが出て鬱屈したときに、よく『鬼平』『剣客商売』『梅安』を開いて過ごすと。 これは有名な話だろうな。 池波本は自室外に纏めて並べてあるので、取りに行くのさえ億劫なときどうするか。 今、座している所から約70cmほどに並んだ、東海林さだおの『丸かじりシリーズ』に手を伸ばす。 緑の背表紙のどれを取ってもよい。 どの項目から読んでも良い。 池波本と同じで、既読であろうが何度でも楽しめる。 そして優しい。 まるで、おじやのような本だ。 本当に、助かる。 本当に、助かるのだ。  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/04/16

画文

画文集が好きだ。 これはもう、妹尾河童さんに刷り込まれたとしかいいようが無い。 昭和58年('83年:当時中学生)初刷の新潮文庫の『河童が覗いたヨーロッパ』 のカバーはボロボロで、舐(ねぶ)るように読んだ小口は真っ黒だ。 硬質美術方面への興味一杯だった自分には、こんなにもフリーハンドなのに精密ながら抜けているようなイラスト、超日本人的な視点で味のある日本語を良い感じに手書きした本があったのかという衝撃を受けたのだ。 ウチの家族は自分を除いてみな字が上手く(祖母は書道の先生)、その劣等感(コムプレックス)から小学校生活の楽しい行事を振り返る卒業文集に、『私は字が汚い』という題で"生まれて御免なさい的"な文章を載せたくらいだ。 これまで読んだことがない、著者本人の生の"字"を地文にしての画文集だ。 高校入学までに、ほぼ河童さんの字(止め、払いなど)を手本に今の自分の文字が完成した。 幼少期から安野光雅画伯の絵の影響で欧羅巴の風景に馴染んでいたのも大きいから、『河童が覗いたヨーロッパ』というまるで異国の考現学の魅力に惹きこまれたのだろう。 今でもページを繰ると舐るように読んでしまう。 画文集の読み方の定型なのだろう。 以降、河童教の宗門に下る。

文春文庫の『河童が覗いた「仕事場」』で、自分の知る・敬愛する著名人の仕事場を覗き見る嗜好は潜在的にあったのだと確信。 『本棚・拝見 ~書斎に見る、知性のプロファイル~』(アスペクト編集部編/ビジネス・アスキー刊)が蔵書にあったのも頷ける。 そんな自分のまさしく欲していた本が発行される。 『書斎曼荼羅 - 本と闘う人々 1』 『2』(東京創元社)だ。 磯田和一氏の、河童さんの確立した俯瞰図とは趣きの異なる、いろんなアングルからの小説家達の書斎の風景に魅了された。 特に1巻は、取材対象となった作家がみな自分のお気に入りだったので、ラフに色彩されたイラストを眺めて至福のときを過ごした。 本文が活字ではあるが、イラストには細かい磯田チェックが本人の字で書き込まれてアクセントになっている。 先年、上田市にある池波正太郎記念館を訪れた際、池波翁の仕事場を再現し隣に彩色画図説明しているコーナーがあり、矯正視力0.8ながら数メートル前から磯田和一氏の絵だ!と叫んで館内に響き同行者に顰蹙を買ったほどだ。 あくまで対象のディテールに引きずられながらの下手ウマ絵はクセになる。

で、そんな長い前フリを置いておいて、モリナガ・ヨウ氏である。 冬の終わりからプラモデルへの興味が再燃し、「田宮模型歴史研究室」 という素晴らしいサイト(是非とも全てのページを閲覧して欲しい)を発端に、ミリタリー模型に興味が移っての、モリナガ・ヨウ氏である。 ジブリ映画なんか屁であるといわんばかりの『宮崎駿の雑想ノート』 『泥まみれの虎 宮崎駿の妄想ノート』 (これらも漫画ではあるが画文集の範疇に含めたい)を発刊している大日本絵画出版の『35分の1スケールの迷宮物語』に出会ってしまったのだ。 画文集(それも字も絵もいっぱいの)好きでガンプラ以前の似非模型少年であった自分にとって、たまらなく楽しい本なのだ。 月刊モデルグラフィックという雑誌に見開き2ページほどで連載されていたものらしいが、"35分の1"というように戦車模型について絵書かれた本だ。 模型少年モリナガ・ヨウ氏も青年になってからは一旦は模型を卒業しイラストレーターとして活躍していたものの、隔月刊アーマーモデリングに掲載された記事を見て感想・質問の手紙を画文にして送ったところ、モデルグラフィック誌の土居雅博編集長(「田宮模型歴史研究室」に度々登場)から連載依頼がきてさぁ大変。  宮崎駿に命名された編集マン吉祥寺怪人(きっしょうじ かいと:押井守映画『立喰師列伝』にも登場)と、二人三脚で、1/35戦車模型とモリナガ氏自身の両方の埋もれていた歴史を最高の画文で振り返るという、唯一にして無二の本に仕上がっている奇跡の書である。 ・・・そう、僕にとっては。

ながながと熱く語ってしまったが、これほど主観的な思い入れでベストと言い切ってしまえる本は少ない。 ほぼ一ヶ月近くかかって隅から隅まで読了した。 これまで書いた上の文章が鬱陶しい。 ただただ、楽しい本なのだ。 写真は表紙カバー絵だ。

Morinaga

 

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2006/04/10

手塚

週末にかけて、ふとしたことから大友克洋作品(初期短編集)を見てから、大友が影響を受けたメビウス(ジャン・ジロー)のサイトを巡り、中学生時の映像エポック『TRON』DVDを借りて観て、メビウスの『メトロポリス』にたいする発言を見つけて『メトロポリス』を途中まで見てその映像情報量に疲れ、『BSマンガ夜話~手塚治虫特集~(三夜連続 '02.4.1~'02.4.3)』をお気楽に眺め、三夜目の題材『ブラックジャック』で、書棚の奥深くにしまわれていた「秋田書店・愛蔵版」を取り出し読み進めて、自分が稼いでいた時代が終わって14巻目以降を追っていないことを知り、絵の小っちゃい文庫版の残りの巻を、3・4月の文庫新刊本とともにAmazonで注文し、とりあえず、文庫版ながら全部揃えてある『火の鳥』を読み返し始めています。

あ~、なんつーか、興味意識が極端に細かく飛ぶのは、なんかの症状なのでしょうね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/04/02

オークションほか

Yahoo!のオークションを時々利用する。 っていっても年に数回ぐらいだが。 主に雑誌やムック本。 普通の本と違って、古書サイトなどでも既に取り扱っていないモノが急に読みたくなったりする時に便利だ。 希少本だと時には吃驚するくらい高値がついているモノがあるけど、雑誌などは個人が本棚整理蔵書処分で放出するものが殆どなので、意外に廉価で手に入る。 しかし、今週落札できたムック本は凄かった。 というか、破格だった。 普通単品で出品されるだろうモノが、関連モノと併せて、計11冊(+おまけ3冊)で当時の定価ならば合計19,200円(おまけ除く)のものを、なんと2,000円で落札できた。 それも新品同様。  信じられない。 メールで出品者とやりとりしてみると、どうも近々引越しにつき雑誌類をほぼみな処分するらしく、単品で出品すると入金確認やら梱包発送やらで手間がかかるのでジャンルごとに一気に処分したのだそうだ。 「そうか、4月だものなぁ」としみじみ思い、またとない好機が到来した偶然に感謝しつつ、喫煙者の自分の保管状況とはほど遠い美品である冊子を眺めながら週末を過ごす。 理系出身とはいっても機械やメカ音痴で根っから文系なんで。 しかしまぁ、久々に安い買い物をしたもんだ。 ネットって便利ね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/03/28

月齢

さて、明日は新月か。 といったところで、花村萬月『王国記 - 雲の影』をようやく読了。 一巻から読み直したのでえらく時間がかかったが、それがまた良いのね。 先週ひいた風邪の所為で床と仲良くなってゆっくり読み進められた。 風邪もどうやら止んだ模様。 文庫四巻目にして、ようやく主人公である赤ん坊に名前がつけられたこの小説。 1400枚強の前書き。 この物語、どこまで行くのかしらん。 しかし、この小説をこれからも楽しみ続けられるという喜び。 そして、『百万遍』、『たびを』はいつ文庫化されるのだろう。 待ち遠しいったらありゃしない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/02/05

ランタン

たぶん花村萬月は偏執狂だ。 ま、それはそれとして。

ダウン状態から少し上がったあたりで花村作品の中からロードノヴェルを読み、しばし現実逃避。 で、部屋を暗くして、引っ張り出してきたPURIMS IP-MBL2(廃盤)のガスランタンを点す。 ガスの無駄使いで誠に馬鹿馬鹿しいが、ま、それはそれとして。 なんとなく、この視力を悪化させる灯りは暖かい。 夏には鬱陶しいだろうが、今はそれが好ましい。 啓蟄あたりには、なんとか這い出せるだろうか。 

| | コメント (3) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧